『バトニングナイフ』はキャンプやバーベキューで薪割り( バトニング )をするのに必要なギアのひとつです。薪割りと聞くと、まず斧をイメージすると思いますが、キャンプでは、斧より小さく汎用性のあるバトニングナイフを使うことが多いと言えます。今回、そんなバトニングナイフについてのご紹介をしていきたいと思います。
目次
- バトニングナイフとは?
- バトニングとは?
- 最初の1本におすすめ!モーラナイフ
- こだわりたい方むけ!SWISS+TECH シースナイフ
- 玄人向け!KANUCHI OUTDOOR フルタング ナタ
- 車内での保管に注意!
- まとめ
バトニング ナイフとは?
バトニングナイフとは、薪割りに特化したアウトドア用のナイフです。ナイフといえば食材をカットしたり、ロープなどを切断したりするのに使用するイメージがありますが、バトニングナイフはたき火やストーブなどに使用する薪を割るためのナイフです。
薪割りといえば斧を使うのが一般的と思うかもしれませんが、斧はコンパクトなものでも結構な重量があります。電車移動での徒歩キャンプや自転車やバイクでのキャンプには、出来るだけ荷物を減らし軽い装備で行きたいので、斧は少し不向きかもしれません。また、キャンプ場やホームセンターで販売している薪でしたら、あらかじめある程度割ってありますので、斧の出番はそれほどないかもしれません。
一方、バトニングナイフならコンパクトに持ち運ぶことができ、汎用性に優れています。刃が細かく繊細なナイフは、料理や細かな木工作業などに適していますが、バトニングナイフは薪割り(バトニング)をしたり木を削ったりするためのものです。そのため、切れ味よりも丈夫さに比重を置いていると言えます。
ナイフの刃には、カーボンやステンレスを使用しており、カーボンは切れ味を、ステンレスはメンテナンスのしやすさを重視しています。そのため初心者の方はステンレス製を選ぶことをおすすめします。刃の長さもある程度必要で、目安として10センチ程度あるものを選べばとりあえずは安心です。丈夫さを求められますので、刃の厚さも重要となります。
バトニング とは?
バトニングとは薪割りのことです。薪は太いままでは火が付きづらいので、着火するときは細く割ってからくべる必要があります。薪割りはそのために必要な作業です。必要最低限の荷物でキャンプを楽しむためには、バトニングは必要な技術と言えるでしょう。
斧での薪割りシーンはテレビドラマやアニメでもよく観るのでイメージできると思いますが、ナイフでの薪割りはあまり見たことがないかもしれません。
バトニングhow to!バトニングのやり方としては、まず薪を立ててナイフの刃を当てます。束に近い手前の部分の刃に薪を当てるのがポイントです。また、薪の木目に逆らわないようにすると割りやすくなります。空いた手で別の薪などを持ち、ナイフの先の方の背を叩きます。刃が斜めにならないよう出来るだけ直角に割るようにします。薪を立てるとき地面が土だとめり込んでしまうので、薪割り台や他の薪など、硬いものを下に置いて叩くようにしてください。
バトニングは誤って手を叩いてしまってケガをしたり、木のトゲが刺さったりしないよう、グローブを付けて行うことをおすすめします。
最初の一本におすすめ!モーラナイフ
アウトドアナイフの定番中の定番がこのモーラナイフです。
モーラナイフといっても用途によって様々な種類がありますが、このモーラナイフをはじめての1本に選ぶ人が多いようです。バトニングだけでなく、調理にも使えるオールラウンドなナイフです。モーラナイフとはスウェーデン王室御用達のナイフブランドで、切れ味鋭いブレードやラバー製の握りやすいグリップ、扱いやすい軽さが特徴です。
ステンレス製の刃は錆びにくく、切れ味も長く保ちます。一度買ったらしばらく買い替える必要がないくらい長持ちする丈夫さや、2,500円程度から手に入れられる安価な点も魅力のひとつです。
キャンプだけでなく、釣りや狩猟用にも使える一品です。
こだわりたい方向け!SWISS+TECH シースナイフ
こちらも3,000円以下と比較的安価に購入できるサバイバルナイフです。「SWISS+TECH」はアメリカの技術とスイスの職人技を組み合わせた特徴を持つブランドです。
フルタングという、ナイフの刃の金属が持ち手の部分までつながっている構造になっており、バトニングのようなハードな使用に適しています。ずっしりとした重厚感があり、グリップ部分が木製なのでキャンプ場の雰囲気によく馴染みます。ステンレス製でサビにも強くお手入れも簡単です。
人差し指用の溝があり滑りづらい工夫もされています。ケース(シース)は本革でこちらも雰囲気があります。切れ味はさほど良くありませんが、バトニングにのみ使用するなら問題はありません。
玄人向け!KANUCHI OUTDOOR フルタングナタ
こちらは少し変わり種の「KANUCHI OUTDOOR フルタング ナタ」。ナイフとナタを合わせたような見た目の商品で、私はワークマンで購入しました。高儀というメーカーの商品で安心のメイドインジャパンとなっております。
こちらもフルタングになっており重量感があります。刃先に『箸』と呼ばれる出っ張りがついており、バトニングなどをしても刃が地面に当たって刃こぼれしないような形状になっています。昔から日本にある『海老鉈』と似たような構造であると言えます。牛革のケースが付属しています。
ワークマンでは、刀身部分や持ち手、ケースがすべて真っ黒な仕様になっていますが、Amazonやその他ホームセンターでは、持ち手とケースがブラウンの仕様になっています。
どちらを選ぶかはお好みのカラーで選んでみてください。
ワークマンでもAmazonでも、発売当初から人気でしばらく品切れが続いておりましたが、最近では比較的手に入りやすくなってきたようです。値段も3,900円と手に入れやすい価格となっています。
切れ味もなかなか良く、簡単に薪が割れます。形状的に料理に使用するには向いていません。とにかく見た目がシャープで格好良いので、おすすめの一品です。
車内での保管に注意!
ここから先は少し余談になってしまうかも知れませんが、ナイフの取り扱いについて重要な注意点があります。
ナイフや斧を不用意に車内に置いておくと、検問などで警察に止められた際に銃刀法違反の罪に問われる可能性があります。当然ですが、日本では武器を所持して出歩くことは出来ません。キャンプで使用するものとはいえ、ナイフや斧は武器として判断されてしまいます。警察の方にいくらキャンプで使うものだと主張しても、おそらくそれは通用しないと思います。なぜなら、強盗も武器を持っていた言い訳として同じことを言う可能性があるからです。
銃刀法違反の例としては、次のようなものがあります。・正当な理由なく刃物を携帯する
・許可なく銃砲・クロスボウ・刀剣類を所持する
・拳銃を譲渡・輸入する
・銃/刀剣類の保管方法に違反する
違反した場合の刑罰は刃物によって異なり、刃体の長さが6センチを超える刃物を携帯していた場合には、1月以上2年以下の懲役、または30万円以下の罰金が科せられます。また、これに該当しない刃物でも、隠して携帯していれば軽犯罪法違反になる可能性があります。この軽犯罪法違反の刑罰は、拘留(1日以上30日未満)または科料(1000円以上1万円未満)です。
もしキャンプ場への行き帰りの道中に検問にあっても、キャンプに行く証明さえ出来れば問題はありません。ただ、キャンプ当日でないと刃物の携帯は認められないと思いますので、キャンプ当日以外は車内から出して自宅で保管しましょう。
また、キャンプ中にナイフをポケットに入れたまま買出しに行くなど、携帯したままキャンプ場から外出しないようにも注意が必要です。
少し似た話にはなりますが、オイルランタンやアルコールストーブなどに使用する可燃性の液体燃料は、電車内に持ち込めない決まりがあります。せっかく買ったギアですが、電車で行くキャンプには持参しないようご注意ください。ちなみにOD缶やCB缶などのガス缶や、固形燃料は持ち込み出来るようです。刃物類はしっかり梱包してすぐに取り出しできないようにバッグなどにしまっておけば大丈夫です。これらの規定は随時変わっていくので、こまめに確認しておいた方が良さそうです。
まとめ
さて、バトニングナイフとその注意点についていくつかご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?当然刃物ですから取り扱いを間違えばケガもしますし、しっかり管理しなければ刑罰の対象にもなってしまいます。ただ、バトニングはキャンプでの醍醐味のひとつ。正しい知識を身につけて、お気に入りのギアで是非キャンプを楽しんでください。
ちなみにまき割りといえばもちろん焚き火をするとおもいますが、筆者おすすめの焚き火台についての記事はこちら!
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